「品質保証スペシャリストとどうやったらなれるの?」
「自分のキャリアってどうやってつくるの?」と聞かれることが最近増えてきたので、私が感じる率直な想いを共有します。
品質保証への道
私も社会人になる前から「品質保証で生きていこう!」なんてことはさすがに思っていませんでしたw
ただ大学院在学中に
「大手メーカーに研究職で入社しても結局ただの歯車で終わっちゃうよな」
という気持ちがあったので、メーカーではなくこれから伸びそうなサービス業界を選びました。
※超就職氷河期時代だったので、なかなか大変でしたけどね。。
入社後は、現場で責任者を2年ほどして、その後、品質管理部門に異動しました。
ぶっちゃけ品質保証ってキャリアの選択肢としてどうなの?
品質保証の仕事を細かく説明するときりがないので、
ここでは「キャリアとして魅力的なのか?」
についてお話します。結論から言うと「かなり魅力的です」
以下、私が実感するメリットです。
①会社のいろんな業務に関われる。
品質保証の業務は広いです。
モノづくりだけをみても「企画~試作~量産~販売~販売後対応」の全てに関わります。
当然、マーケティングや購買、調達、広告等の知識がないと話についていけないので、品質保証以外の分野もたくさん勉強できます。
また会社の規模にもよりますが、品質保証部が品質管理はもちろん、安全管理、コンプライアンス、リスクマネジメント、契約書の作成等までこなす会社もあります。
品質経営を謳っている企業では、経営サポートも行います。とりあえず品質保証に携われば、その会社の全ての流れを把握できます。
②普遍的なスキルが身につく
開発はけっこう限定的なスキルです。
例えば、化粧品の開発者は電気製品に関する知見がないため、電気製品の開発はできません。
一方、品質保証はどの分野でも基本的に対応できます。
関連分野の法律を勉強する必要はありますが、そこさえ把握できれば、あとはなんとかなります。
③社内で目立ちやすい
企業での花形はやはり「マーケッター、プログラマー、開発者」等です。
優秀な人材、いわゆるエースは、基本そちらに流れます。
ですので、品質保証にはエースはおらず、マーケティングや開発といったレッドオーシャンでしのぎを削るより、少しの努力で簡単に目立つことができます。
④どの業種業界からも必要とされる
品質保証はニッチな業種ですが、会社がある程度の規模になると必ず必要になります。
具体的には、新規顧客数に対して流出顧客数が無視できなくなったタイミングが多いです。
コロナ禍においても、売り上げを伸ばしている企業は品質保証を担ってくれる人材を常に探しています。
⑤グローバルで活躍できる
品質保証は全世界で実施されています。
もちろんその国の文化の影響は受けますが、基本的なミッションは同じで
「お客さまが望む品質を保証すること」です。
「品質保証スキル+英語でコミュニケーションがとれる人材」になれば、
世界中からオファーがきます。
みなさんご存じのア〇ゾンやマク〇ナル〇といったグローバル企業からも頻繁にオファーが届きます。
品質保証に向いている人
品質保証のメリットばかりを伝えましたが、当然向いていない人もいます。
「品質管理の正社員が欲しいけど、誰を選べばいいかわからないから、面接に同席して欲しい」という依頼をクライアントから受けたときは、
以下のように答えています。
品質保証に向いている人(適性)
①どんなことでも「なぜ?」と聞き、思考停止せず考え抜く人
②原理原則で考えられる人
③情報のソースを気にする人
④批判的な思考ができる人
⑤信頼される誠実な人
⑥目立ちたがりでない人(ちやほやされたいと思わない人)
特に⑤と⑥が重要です。
品質保証はクレーム対応も多いです。
ほとんどの場合、相手が聞かれたくないと思っていることを掘り下げて聞かなければなりません。
ですので、相手に信頼してもらえる誠実な人でなければ、品質保証は務まりません。
また、品質保証は「脇役」であり、単独では成り立たない業務です。
品質保証は開発などの部署があって初めて成り立ちます。
品質保証はいわゆる社内顧客に奉仕することで間接的にお客さまに奉仕する部門です。
間違っても「自分が舞台で踊りたい」という人が来るところではありません。
最後に「理系人材から選んだ方が良いか?」という質問もよくされますが、
私は「関係ないです」と答えています。
微生物、化学、物理、統計、品質管理手法等を習得する速度は、文系人材より理系人材の方が圧倒的にはやいと思います。
しかしそれらは後でいくらでも教えることができますし、長期でみると大した問題ではありません。
それ以上に大事なことは、やはりその人の「適性」です。
性格などの本質は後から変えることができないからです。
理系分野が弱ければ、詳しい人に助けてもらえばいいだけの話です。
品質保証の将来
品質保証は本来「クール」な仕事です。
しかし、1つの製造所に籠っていては、その力をより高めることはできません。A&H Companyを設立した目的でもありますが、あまり表舞台に出てこない各業界の品質保証スペシャリストを集めて、業界や国の垣根を超えた専門集団を作りたいと思っています。
マーケッターやプログラマーはもちろんかっこいいですし、一流になると報酬もすごい額です。しかし類まれな才能をもった山のようなライバルたちと常に戦い続けなければなりません。
そう考えると品質保証という選択肢も悪くないと思いませんか?
より具体的なことが知りたい方は、気軽にお問い合わせください。
https://ahcompany20200311.com/toiawase/