賞味期限からみる文化の違い

先日、妻から、
「この輸入バターの賞味期限ってどっちが正しいの?」と聞かれました。

結論から言うと、「どっちも正しい」です。
この賞味期限表示には、日本文化の特徴がよく表れています。

賞味期限とは?


賞味期限とは、
「この日までに食べると美味しいですよ!」という期限です。
ですので、賞味期限を過ぎても、普通に食べられます。


ちなみに消費期限という表示もありますが、こちらは傷みやすい食品に表示されるので、消費期限を過ぎた食品は、食べない方がいいです。

日本と海外の賞味期限を比較


これが妻から質問のあった輸入バターです。ニュージーランドから輸入しているようです。
このサイズのバターはやはり輸入品の方がコスパがいいですね。

裏面をみると賞味期限が書いてあります。「2021年2月6日」です。通常、このラベルは日本で貼ります。
※話がそれますが「21.02.06」という表示は要注意です。
輸入の際は、2月6日なのか6月2日なのか確認したほうがいいです。

横を見ると
「Best Before 2021/11/15」とあります。
直訳すると「2021年11月15日までに食べると美味しいよ」です。これはニュージーランドで販売する際の表示ですね。
同じ商品なのに、日本の賞味期限と比較すると半年以上長いですね。

なぜ違うの?


賞味期限が半年以上違う理由はいくつかあります。
当然、日本とニュージーランドでは温度や湿度、保管条件も違いますからね。

でもやはり一番大きな要因は、「不確実性の回避」に関する文化の違いだと思います。

「不確実性の回避」と聞くとちょっと難しく感じるかもしれませんが、要は、日本は「よく分からないことは避けたい、したくない」文化なんです。
加えて「自己責任」という概念も薄い文化なので、結果的に、企業はかなりの安全率をとって賞味期限を短くせざるをえません。

食品ロスをなくすために、日本でも賞味期限を長くする取り組みは当然ありますが、なかなか進みません。それは賞味期限の設定は「文化に基づく行為」だからです。※3分の1ルールといった商習慣も文化の一部です。

文化は食品に限らず、全ての活動に影響します。ですので、文化に根差した商品やサービスは強いです。特に中小企業の方は、経営の要素に「文化」のキーワードを入れるだけで、かなり戦いやすくなると思います。大企業ができないこともはっきり見えてくると思いますよ。

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