世界一分かりやすい安全の定義_お餅を例に

あけましておめでとうございます!

お正月と言えば、お餅ですが、毎年お餅をのどに詰まらせて亡くなったというニュースを聞きますね。

このニュースを聞くと、

「なぜ、こんにゃくゼリーは訴えられて、お餅はいいの?」

という質問をよくされるので、今日は「安全」についてお伝えします。

安全の定義


「安全」とはなんでしょうか?

国際安全規格では、

「許容できないリスクがないこと」

と定義されています。

この「許容できない」というのがポイントです。

つまり「許容できる」、あるいは「コントールできているリスク」であれば、「安全」ということです。

世の中には絶対安全は存在しません。

許容できるかどうかの判断


次に問題になるのが「許容できるかどうかの判断」です。

私は主に2つの視点から判断しています。

① メリットがデメリットを上回る場合

② 文化的背景に基づき、世間から暗黙の了解を得ている場合

①の典型は「医薬品」です。

医薬品は大なり小なり、副作用が必ずあります。

しかし悪い副作用を上回る効果があれば、その医薬品は使用されます。(≒リスクが許容されます)

また「自動車、タイヤ」といった工業製品の多くがこの①に当てはまります。

自動車は凶器になるとみんな分かっていますが、

じゃあ自動車を法律で禁止しよう!

とはなりませんよね?

これはデメリットもあるが、メリットがそれを大きく上回るからです。

このブログの冒頭でお話した「お餅」は②です。

お餅はただの食べ物ではありません。長い歴史を持った由緒正しい食べ物です。

ですので、喉に詰まるリスクがあっても、世間はそれを仕方ないと許容しているのです。

一方、こんにゃくゼリーは最近登場した製品で、日本文化との結びつきもありません。だから、こんにゃくゼリーが喉に詰まることは世間が認めないのです。

※ちなみに裁判では、こんにゃくゼリーの製造メーカーは製造物責任は問われませんでした。また食物による窒息は毎年4,000件ちかく発生しています。

安全への取り組み方


安全であることは高い製品だろうと安い製品だろうと必須です。

100円のナイフだから手を切っても仕方ないとはなりません。

一方で、世の中には「絶対安全」は存在しません。

ですので、安全への取り組み方にも当然、優先順位をつけることができますし、根拠をもって、取り組まないという結論ももちろんアリです。

「安全とは許容できないリスクがないこと」

このことをしっかり理解して、適切にコストを管理していきましょう。

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