カビ事例で学ぶ!品質保証のプロが伝授する原因究明と再発防止の最適解

品質保証に特化したコンサルティング会社A&H Company代表の河相です。

本日は、私の日課となっているリコール情報から、カビの事例を解説します。

商品情報詳細|リコール情報サイト|消費者庁 (caa.go.jp)

カビの特徴

今回は「カビ」が原因の回収ですね。

保管していた食品にカビが生えてしまった経験は、みなさま一度はあるのではないでしょうか?

カビの一部は、カビ毒という有害物質を産生するのですが、ほとんどのカビに害はありませんので、過剰に心配する必要はないです。

原因

工場で製造された食品にカビが発生する原因は、

「脱酸素剤の入れ忘れ」、「包装不良(穴が開いていた)」がほとんどですので、対策は特に難しいことはないです。

本日は、こういった不具合が発生した際の原因究明の進め方と対応策の提案について、おすすめの方法をカビを事例に紹介します。

モデリング

原因を究明する際は、全ての可能性が網羅されていることが重要で、そこから各原因を取扱いやすいレベルまで細分化します。

一般的に「ロジカルシンキング」と呼ばれる手法で広く知られていますが、実際にやってみるとなかなか難しいと思います。

そこで、私は、まず事象をモデル化し、そこから原因を究明しています。

カビを事例にやり方を説明すると、

まず、カビが発生する条件を書き出します。

カビ×温度(20~30℃)×水(湿度/水分活性)×栄養源×pH(4~7)×空気(酸素)

×は、and条件といい、「AかつB」の「かつ」という意味です。

この式だと、全ての条件がそろって初めて、カビが増殖することがわかります。

逆に、1つでも条件がそろわなければ、カビは増殖しないということになります。

これを使えば、原因の絞りこみも簡単ですし、対策も立てやすいです。

 

「モデル式を自分で作ることができない」という意見をよくもらうのですが、これはほとんどの場合、自分でゼロから作る必要はありません。

偉い先生たちが日々研究してくださっているので、「カビ 増殖 条件」等で、ググればすぐにでてきます。

この考え方は非常に汎用性があります。

電気製品で発火が発生した場合は、燃焼の3原則「可燃物×酸素×熱」が使えます。

また営業でも使えます。

「売上=客数×客単価=(新規顧客+既存顧客ー流出顧客)×客単価」といった感じで、細分化していけば、売り上げを上げるために何をするか?が分かりやすくなります。

昨今、品質不正が話題になっていますが、その場合は、以下が使えます。

不正=動機×機会×正当化(不正のトライアングル」

まとめ

モデル式を使えば、闇雲に原因を想像するより、はるかに取り組みやすくなります。

ただ、使いこなすには、実践経験による慣れが必要ですので、興味がある方は、いつでもお声掛けください。御社の具体的な事例を用いて、使いこなせるようになるまでサポートいたします。

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