「イノベーション」
よく聞きますね。
では、イノベーションとは何でしょうか?
今回はみなさんか自分事として理解できるよう、事例を使って、イノベーションを定義していきます。
イノベーションの定義
イノベーションの定義はいくつかあります。
シュンペーターのイノベーション理論やISO56002(イノベーション・マネジメント・システム)あたりが有名です。本質的に言ってることは同じなので、今回は経済産業省が発行している「日本企業における価値創造マネジメントに関する行動指針」を引用します。
こちらの行動指針ではイノベーションは以下の通り定義されています。
研究開発活動にとどまらず、
1. 社会・顧客の課題解決につながる革新的な手法(技術・アイデア)で新たな価値(製品・サービス)を創造し、
2. 社会・顧客への普及・浸透を通じて、
3. ビジネス上の対価(キャッシュ)を獲得する一連の活動を「イノベーション」と呼ぶ。
具体的にイメージできますか?
難しいですよね。
具体的なアウトプットがイメージできない状態で、イノベーションをアウトプットできるわけがありません。
ですので、私はイノベーションを以下の通り定義しています。
「イノベーションとはライフスタイルが変化すること」
事例を使って説明します。
身近なイノベーション事例
テレビ
昔のテレビはブラウン管が使われており、奥行きが30cm以上ありました。
リビングや寝室に置くと、無駄なスペーズができ非常に邪魔でした。
そこに「液晶テレビ」が登場しました。
液晶テレビは厚みが10cm以下なので非常に薄いです。
液晶テレビの登場により、今までブラウン管テレビが置かれていた場所が空きました。
そのスペースに今までは置くことが出来なかったテーブルやベッドを置けるようになり、部屋の使い方や部屋での行動パターンが変わりました。
これをイノベーションが起きたと言います。
大組織で発生するイノベーション後の間違った行動
ブラウン管テレビから液晶テレビに変わることでイノベーションが起きました。
液晶テレビが爆発的に売れたことを受けて、技術部隊は次にどういうアクションをするか?
液晶テレビをより薄く、軽くするためのロードマップを作成します。
技術的な視点から見ると、このアクションプランは間違っているとは言い切れません。
一方、液晶テレビの厚みが10cmから5cmになるとライフスタイルは変わるでしょうか?
ブラウン管から液晶テレビに変わったときほどのインパクトはないですよね。
ライフスタイルもほとんど変わりません。
ですので、経営者は全体を俯瞰して技術陣に薄く、軽くの方針は必要ないと止めさせなければなりません。
次にテレビでイノベーションを起こすには、薄くて、折り畳める、あるいは丸めて持ち運びができるテレビが必要です。
そこまでいくと、ライフスタイルが変わります。
おそらく既存技術の延長ではなく、全く新しい技術が必要です。
昔の成功体験にこだわっていると、すぐに競争に負けてしまいます。
日本のイノベーションに対する向き合い方
日本でもアメリカに負けないイノベーションを起こすため、様々なチャレンジを促しています。
ここで落ち着いて考えてみましょう。
アメリカは文化的にチャレンジが得意です。
日本はリスクをテイクすることが非常に苦手です。
この前提を踏まえて、日本がアメリカの後を追いかけて追いつけるでしょうか?
おそらく無理です。
日本は日本らしさでとことん突き抜けて、アメリカや中国とは別の方向に活路を見出すしかありません。
本日の問いかけ
「イノベーション=ライフスタイルの変化」です。
御社の提供する商品・サービスでライフスタイルの変化は起きていますか?
独りよがりのイノベーションになっていませんか?
改めて考えてみてください。
ときには捨てる判断が非常に重要です。