人材育成はマネジメント層の非常に重要な仕事の1つです。
そのため、部下を育てるにはこういうやり方がいいよ!という情報が世の中には溢れています。
一方、そういった情報を見聞きし、試しても上手くいかない経験をされている方は大勢います。
本日は一般的に言われる人材育成のやり方に対して実践的な立場から意見します。
人材ピラミッド
以下の図はご存知でしょうか?
簡単に説明すると、
組織には優秀な人材が2割、その他の人材が8割ほど存在しています。ここではもう少し細分化して、2:6:2に分類しています。
いわゆる「パレートの法則」と言われるやつですね。
色々な分野で利用される経験則です。
「アメリカの資産の8割は2割のお金持ちが持っている」とか「アリは2割が働きアリで、残りの8割は働いていない」とかが有名です。
図に戻ります。
縦軸を能力として、上にいくほど能力が高い層、下に行くほど能力が低い層を表しています。
人材育成の定石
この人材ピラミッドをベースにして、よく言われる育成方針が下の図になります。
相対的に能力が高い人に注力する。
重点思考で非常に効率的な気がします。
これを実践されているマネージャーや経営者も多いと思います。
しかし、これはほぼ全ての組織で機能しません。
それはある前提を意識していないからです。
隠れた前提
「常に新しい人が供給され続ける組織」
これが前提となっています。
プロ野球、プロサッカーなど、超人気スポーツがわかりやすい例です。
この世界では、能力が低い層を無視しても、問題ありません。
入りたい人が圧倒的に多いので、能力が低い層は、常に入れ替わります。
その中から、将来有望な人材だけに集中して教育すればいいのです。
ビジネスの世界で、こういった構造をしている組織はほんのわずかです。
また日本は解雇するハードルが非常に高いので、不燃型人材を組織から追い出すことは容易ではありません。
現実的な最適解
ここまでの説明を踏まえると、現実的な対応は以下のやり方しかありません。
不燃型人材を可燃型人材に変えようとしてはいけません。
不燃型人材は一朝一夕で作られるわけではないので、変えることは諦めた方がいいです。
これについては「超えられないバカの壁」に繫がるのですが、長くなるので、次回紹介します。
とにかく、不燃型人材がチーム全体に与える悪影響を最小限にすることに注力しましょう。
本日の問いかけ
どこかの偉い人、有名な人が言っていることを鵜呑みにしていませんか?
自分の頭で考え、自分にとって必要かどうか判断する習慣をつけたいですね。