8年ぶりのマレーシア。
前回はコタキナバルがメインでしたが、今回はクアラルンプールに8泊。
主目的は、長男の大学見学で、残った時間は観光と市場調査をしてました。
本日は、品質保証の観点から、宿泊した5つ星ホテルや食事などの感想を共有します。
5つ星ホテル Le MERIDIEN
マレーシアは世界でも最も5つ星ホテルが安い国で、リッツカールトンなど超一流ホテルに2~3万円程度で宿泊できることで有名です。
今回は、KLセントラル駅直結でマリオット系列のLe MERIDIENに宿泊しました。
Inspired by the era of glamorous travel, Le Meridien unlocks…
部屋
2人で過ごすには十分な広さ。
トイレやお風呂もきれい。
東南アジアのお風呂は換気扇がついていないことが多いですが、ここは換気扇付きで、カビはほとんど見当たらない。
排水管にも目の細かい蓋がついており、害虫の侵入を防ぐ構造。
シャワーの温度、水圧、ドライヤーの風量、空調設備も問題なし。
食事
33Fのクラブラウンジと5Fの朝食ブッフェを利用。
東南アジアでよくあるのが、調理器具を共用することによる交差汚染(クロスコンタミネーション)で、特に屋台では要注意ですが、ここは作業場や調理器具が区画されており、衛生管理は問題なさそう。
サービス
3時チェックインでしたが、早めについたら追加料金なしで1時にチェックインさせてくれました。
息子の調子が悪かったから、非常に助かった。
マレーシアは基本的にチップは必要ない国にも関わらず、ホテルの従業員は親切で、会う人全員挨拶してくれるし、お願いすればなんでも対応してくれる。これはマレーシアの国民性のような気もする。
所感
5つ星ホテルに宿泊して、最も強く感じたことは、
「日本の宿泊施設って、やはり(良い意味で)異常」
マレーシアは世界で最も5つ星ホテルが安い国だから、今回の宿泊費も1室3万円程度でしたが、欧州、アメリカだと倍以上します。
たしかに設備、食事、サービスに不満は全くないですが、
一方で、日本を振り返ってみると、
整理整頓清掃された施設、衛生的な食べ物、顧客への親切な対応は、1万円以下のビジネスホテルでも当たり前に提供されています。
これは外国から日本に来ると、「この価格でこのサービス、なんだこの国は!?」と思うのも納得です。
日本のサービス業の当たり前品質は世界と比較して高い水準になっているので、ここをベースにさらに他社と差別化していくのは、非常に難しいなと感じました。
海外だと「衛生的な施設、安全な水・食事・セキュリティ、親切な対応」が売りになりますが、日本だとそれだけで集客するのは難しく、今後品質保証の専門家として、何を保証していけばいいのかなぁと気付いた旅でした。
※ちなみに、5つ星ホテルという表現はよく聞きますが、これはミシュランやForbesといった民間団体が独自で採点しており、国のお墨付きなどではありません。
マレーシアの食事
マレーシアの食事は、他の東南アジアの国と同様、油をたくさん使い、基本的に茶色いです。
果物以外は基本、加熱して食べるので、加熱後の取り扱いを注意していれば、食中毒の可能性は低いと思います。
水道水はそのままでは飲用できませんが、加熱すれば大丈夫です。
マレーシアの繫華街ブキッビンタンには、ジャランアローという有名な屋台街がありますが、やはり屋台での衛生管理は限界があります。
品質保証の立場からは、屋台は廃止するのが安心ですが、屋台は文化的な側面もあるので、水道設備、キッチン等が整備された区画のみで行うよう移行していくのが現実的かなと思います。
屋台で大規模な集団食中毒が発生したら、営業停止だけでなく、今後の営業許可もでなくなる可能性があるので、けっこう綱渡りなビジネスだと思います。
まとめ
品質は相対的な概念です。
日本だけを見ていると、視点が偏り、バランスをとるのが難しくなります。
「日本はダメ、海外はスゴイ」といった短絡的な判断を入れるのではなく、まずは違いを事実として認識し、日本の良いところはのばす、海外から学べることは取り入れるという柔軟な対応が必要です。