副業が盛り上がっていると言われてますが、
実際に副業でコンサルティングをしている人、
ましてや私のように会社まで設立している人はほとんどいないらしく、
クライアントからもよく珍しがられます。
そういう背景もあってか、
「これからの時代に必要とされる人ってどんな人だと思いますか?」
「専門性ってどうやって身につけるんですか?」
「どういう分野を勉強したらいいですか?」
といった質問を受けることが増えてきました。
毎回説明すると時間がかかるので、いつも話していることをブログに書きます。
専門性って何?
最近は「専門性がある人」が人気です。
転職する際も、専門性があるとよくオファーを受けますし、
専門性をきっかけにとりあえず話せるチャンスは増えます。
では、ここでいう「専門性」の定義とは何でしょうか?
一般的には「特定分野における深い知識と経験」で大きく外れてはいないと思います。
では、どの程度の知識と経験ならいいの?という次の疑問が出てきます。
まず経験です。
これは年数でいうと3年もあれば十分です。別に1年でも構いません。
それよりもどんな課題をいかに解決してきたか?の方が重要です。
ルーチン業務でなく、こういった活動を自発的に実施しました!という事例を多く持つことが重要です。
「決められた品質管理業務を10年まじめにやってきました」という人に専門家というニックネームはつかないでしょう。
次に知識です。
これは、以下をクリアすれば立派な専門家です。
①自分の仕事の概要、目的、意味を知らない人に分かりやすく説明できる
②その分野について困っている人がいたら、解決案を提案できる
③分からないことが分かり、その解決方法を探せる(自分で解決できなくてよい)
特に③が大事です。
どんなに頭が良い人でも知らないことの方が多いのが普通です。
自分が分からない場合でも、解決方法にたどりつける人は立派な専門家です。
コンサルティングの現場では分からないことは日々でてきます。
その場では話を合わせますが、あとで死ぬほど調べて勉強します。たぶんみんなそうだと思います。
専門家になるには?
専門性の定義が分かると次はどうやってなるか?でしょう。
これは簡単です。
周りの方に困っていることはありませんか?何かお手伝いできませんか?と聞いてまわるだけです。
アカデミックな分野で専門家になりたい人は別ですが、
ビジネスの現場では具体的に何かを解決してくれる人をみんな求めています。
ですので、自分がやりたいことではなく、周りがやって欲しいことを積極的に行い、課題を解決していけば、自然と必要なスキルは身につき、周りの人はあなたを専門家として認めてくれます。
それが品質保証であれば、品質保証の専門家、マーケティングならマーケティングの専門家になります。
専門家のさらに先を目指す
一般的な知識・経験があり、さらに1つの専門分野がある人を「T型人材」と言ったりします。
これだけでも十分貴重な人材なのですが、最近は2つの専門分野をもった「π型人材」でないと生き残るのは難しいのでは?と言われ始めています。
私がここで提案したいのは「π型人材」をさらに先に進めた「(逆)台形型人材」です。
※私が作ったので、検索してもたぶん出てきません。
下の図をみてください。
左から「T型人材→π型人材→(逆)台形型人材」です。
(逆)台形型人材の特徴は「連続した専門性をもっていること」です。
手当たり次第に専門分野を身に着けようとするわけではありません。
(逆)台形型人材になる方法
(逆)台形型人材になる具体的な手順です。
①専門分野を1つ獲得する。
②専門分野の1つ横の分野に移動する(現在の専門分野と親和性の高い分野)
③1つ横の分野がある程度わかってきたら、さらに1つ横に移動する。
④上記を繰り返す。
品質保証を事例に具体的な例を示します。
①食品の品質保証の専門家になる。
②食品の品質保証の知識と経験をいかして、対象を電気製品、化粧品、医薬品、ソフトウェア等に広げる。
※完全に新規にいくのではなく、片足は既存の専門分野に置き、もう一方を新規分野に置く。
③どの業界でも対応できる品質保証の知識と経験を身に着けた後は、品質保証という業務の前後プロセスを確認する。
④例えば、国内で製造した後、輸出というプロセスがある場合は、貿易実務について勉強する。これで後工程まで意識した提案ができるようになる(他者との差別化)
⑤あるいは、品質保証と関係の深い契約書類を実際に作成する。民法や商法の勉強をする。これで品質面だけでなく、法務など違う視点でのリスク抽出や提案が可能になる。
⑥上記を繰り返していくと、業務プロセス全体を把握できるので、どこで何を気を付けるべきか勘所がわかるようになり、生産向上、リードタイム短縮等につながる。
また完全に新領域にいくわけではないので、学習コストも小さくすむ。
⑥の段階までいくと、経営陣とも対等に話ができるようになるので、
任せてもらえる業務範囲が広くなり、経営コンサルタントという扱いになる。
事例は品質保証ですが、どの分野でも基本は以下のように同じです。
①1つとなりの分野を攻める(ピボットする)
②ある程度その分野が理解できれば、さらに隣に移動する
本日の問いかけ
順を追って、説明すると意外と簡単そうだと思いませんか?
戦略をもって活動すれば、それだけで他者と差別化できます。
自分が相手の立場なら、どういう人と仕事をしたいか?
一度考えてみてください。
質問等がございましたら、いつでもお問い合わせください👍